2011-12-10 18:58:44
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コメント(4)
一足先にスラヴ風味のクリスマスです。
師走に入り、段々忙しくなってきたので、時間があるうちにブログを書いておこうと思いまして。
拙作「Messenger 」のリョウにロシアのクリスマス週間ではポピュラーな「スニェグーラチカ(雪ん娘)」に扮してもらいました。
この「スニェグーラチカ」はロシア版のサンタクロース「デェート・マロース」(直訳すると「極寒のおじいさん」とか「霜のおじいさん」とかですかね)の孫娘という設定で、お伽噺の中では雪から作られて命を吹き込まれた少女のことです。この時期になると「デェート・マロース」とペアの形でお目見えします。
その衣装は、下記のようなペールブルーを基調に白いファーが付いたもので、極寒の地らしく防寒対策はばっちりなようです。スニェグーラチカの資料を色々漁ったのですが、余り詳しい資料に当たらなかったので、いつもの如く勢いで描いています。その中の一つに下記のようなスラブ的な頭飾りをつけたものがあったので、拝借してみました。通常はお揃いの白いファーが付いた帽子をかぶっているのが多いようです。
ロシアのクリスマスは、カトリックのものとはだいぶ趣が異なります。クリスマス週間は12/25 -1/6 辺りまで、あちらは旧暦で行うので1/7の新年を祝うための行事になるんです。なのでカトリック系のように「Merry X'mas」という文句は見られませんで、大抵「新年おめでとう的な語句」が並びます。ポピュラーな所では
С Новым Годом С Новым Счастьем ですね。
「新しい年を新しい幸せとともにお祝いします」要するに「明けましておめでとう」という意味です。
それはさておき。
赤と緑のコントラストが特徴的なカトリックのものとは一味違い、「スニェグーラチカ」は青いトーンなので随分と趣が異なります。
リョウの隣にいるのは、ヴォルグの長セレブロです。大きさは実物の半分ぐらいでしょうか。
「ヴォルグ」はロシア語で「狼」の意味でして、セレブロは狼に似た形をしている大きな獣という設定です。因みに「セレブロ」はロシア語で「銀」。英語のsilver ですね。白く光り輝く体毛からその名前を付けました。本当は牝馬くらいはあるはずなんですが、先にリョウを描いてしまったのでスペース的に大きく出来ませんでした。
拡大をすると色々粗さが丸分かりですが、少しでも雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。
こんにちは。ご無沙汰しております。
いつもの如くマイナー路線(笑)で一足早いクリスマスをお届けいたしました。お気に召していただけましたようで、何よりです。
今回、「デェート・マロース(サンタ)」の方はいませんが、あちらのおじいさんも同じような青い衣装だったり、白い衣装を着ていたり、最近は赤もあるようですが、それでもロシア的な装飾になっていますね。
そして、おじいさんが乗るのはトナカイが曳く橇ではなく、三頭立ての馬車「トロイカ」なのです。
同じキリスト教でも東と西でかなり違いますし、そしてスラヴ世界ではそれが土着の信仰と混ざり合った結果なので、この違いは面白いですね。
以前から、リョウとセレブロ(狼)のツーショットを描きたくてうずうずしておりましたが、実際に描いてみるとセレブロは意外に難しくて、気が付いたら随分とミニマムな大きさになっていたという情けないオチ。
にもかかわらず、「素敵」と仰って頂けて嬉しいです(♪)
ありがとうございました。
>つちのこ@ さま
こんにちは。いつもありがとうございます。
少しでもスラヴ的な雰囲気が出ればとこのところ無謀にチャレンジしていましたが、本家の方の装飾はそれはもう目が眩むようで、そこまで根性のない私は今回も、細かい所はいい加減にアレンジしてしまっています。
そうなんです。ロシアではクリスマスは青い衣装なんですよね。ロシア版のサンタのおじいさん「デェート・マロース」も青い衣装だったりします。ウクライナでは赤が主流のようですが、ベラルーシでは白い衣装を着ていたり、同じスラヴでも地域によって微妙な差があります。ロシアではカトリックのほうの影響を受けてか、赤が多いかもしれません。
元々スラヴ世界では「赤」は縁起の良い色で、「ハレの日」仕様の民族衣装ではふんだんに「赤」が使われていますが、クリスマスは少し違うんですよね。
元々スラヴの伝統的な風習から生まれている「スニェグーラチカ」も「デェート・マロース」も冬の「極寒」を擬人化させたものなので、だから凍てついた寒さを表す為の色遣いで「青」が基調になっていると思われます。
つちのこ@さまは「騎馬民族」がお好きなんですね。古代ロシアはチュルク家(トルコ系)の騎馬民族と古くから戦を通して接していたので、その影響がるのかもしれませんね。
セレブロは、私も常々リョウのようにあの毛に埋もれたいと思っていました(笑)そしてあの背中に抱きつきたい……。イラストの方はいつもの如く大きさを間違えましたが。
お気に召して頂けて良かったです♥
>谷町クダリ さま
はじめまして。こんにちは。辺境の片隅にようこそお越しくださいました(笑)
ロシアを始めとするスラヴ世界はまだまだ日本人にとっては遠い国ですものね。そんな一般的な西洋とは違うロシア(スラヴ)というものを少し身近に感じて頂けたらと思いまして、今回このイラストを描いてみました。
異国情緒を感じていただけまして嬉しく思います。
元々、スラヴ世界では、俗に言われているクリスマス週間は、一年で一番寒さが厳しくなる時期で、この極寒を乗り切って新年を迎える為の「年越し」のお祭りなのです。
新年は1/7 で、それまでの一週間弱、「太陽の子」である神様「コリャダー」を称える歌を歌いながら、女や子供たちが家を門つけして回り、祝福を捧げ、そのお礼にパンやパイ(ピローグ)などを馳走してもらう。焚き火を焚いて、その上をとび跳ねたりと飲めや歌えやで賑やかに過ごしたらしいのです。そこにキリスト教が入ってきて(10世紀ごろです)、昔ながらの風習にキリスト教がスライドしたというか、乗っかったみたいなんですね。
ロシア版サンタは三頭立ての馬車「トロイカ」に乗っています。その御者台の隣に孫娘が介添え的な感じでいるんです。
サンタと孫娘のペアは、1930年代ごろに出てきたようです。ソ連時代は宗教が禁止されていたのですが、この風習はお目こぼしを貰って復活したようで。
今は、特にソ連崩壊以降は、所謂西洋の伝統的なカトリックの影響が大分入りこんでいるかもしれません。あちらの「スニェグーラチカ」や「デェート・マロース」関連のサイトをみるとパーティーやイベントへの「出張サービスやってます!」みたいな宣伝があるので。
スミマセン。つい長々と。
コメントどうもありがとうございました。